衝突エネルギー

宇宙空間の2物体が衝突した場合の動的エネルギーは、
しょうとつされた側の天体に動的エネルギーとして保存されます。

衝突する天体(以降衝突天体)の衝突エネルギーは、衝突天体の動的エネルギーです。

衝突された天体(周回天体)の動的エネルギーは、衝突エネルギーの分変化します。
周回天体の移動方向と同じならば、周回天体の動的エネルギーは増加、反対方向ならば減ります。

衝突天体の衝突エネルギー
(動的エネルギー)
Ia=miv2
順進行方向 の場合 +
逆進行方向 の場合 −
       
衝突後周回天体の動的エネルギー
A’ = Aa + Ia
  • m:質量[kg]
  • v I:衝突速度[km/h]
  • A’:衝突後動的エネルギー[je]
  • A:衝突前動的エネルギー[je]
  • I:衝突エネルギー[je]

衝突エネルギー方向

衝突天体が周回天体に衝突した方向により、
進行方向をX軸(水平)、
中心天体と周回天体の結んだ線上方向をY軸(垂直)、
進行方向上下方向をZ軸(上下)とすると、
衝突エネルギーは、それぞれの方向に分解できます。

水平方向衝突エネルギー
(以降衝突エネルギー)
軌道面の軌道の動きに影響する。
垂直方向衝突エネルギー円軌道を中心にした単振動に影響する。
※本サイトでは扱わない
上下方向衝突エネルギー軌道面に対して上下の単振動に影響する
※本サイトでは扱わない

水平方向は、いままでで説明しましたが、
垂直方向と上下については、説明してません。

おそらく、基準軌道を中心に振動するはずなのですが、
研究中なので、研究が進んだら載せようかと。

水平方向衝突エネルギー

軌道に対して進行方向の衝突エネルギーを、
水平衝突エネルギーということにします。

水平衝突エネルギーは、
軌道形状(楕円軌道)に影響します。
円軌道上を動いている周回天体に、
他の天体が衝突した場合、
衝突した天体が保持している動的エネルギーは、
衝突された天体に移動します。

移動した動的エネルギーは、
周回天体を、現在の基準軌道半径の円軌道から、
別の基準軌道半径の円軌道に移動します。

移動することにより、
元の円軌道の基準軌道半径と、
移動後の基準軌道半径の差を振幅とした楕円軌道になります。
これは、楕円の焦点距離と同じになります。

周回天体は、衝突後の基準軌道を半径を中心として、
単振動を繰り返します。
円軌道と変形単振動の合成で、
見かけ上楕円軌道に見えます。

周回天体の単振動周期は、
公転周期は同じのため、
衝突位置に戻ってきます。

衝突による事象(公転軌道)

衝突によって、次の事項が周回天体の公転軌道方向に起こります。

(1)エネルギーアンバランス衝突位置(衝突前の基準軌道)において、
増加した衝突エネルギー分、
静的エネルギーとバランスが取れなくなくなる。
(2)エネルギーの作用反作用衝突エネルギーの増加分、
相殺する動的エネルギーが発生する。←予想
(3)基準軌道移動衝突エネルギーと相殺された動的エネルギーが
バランスしながら、
衝突エネルギーが0になるところ(新しい基準軌道)に移動する。
(4)公転周期の変化基準軌道が移動するので、公転周期が変わる
(5)エネルギー移動衝突天体の保持している動的エネルギー
(衝突エネルギーと呼ぶ)が
周回天体の動的エネルギーに転移し、
衝突前の周回天体の動的エネルギーが
衝突エネルギー分増減する。

衝突による事象(振動)


衝突により、衝突前基準軌道(a)と衝突後基準軌道(b)の距離の差を振幅(f)とした、
公転周期Tbと同様の振動tbが発生します。

そして、当初の円軌道(基準軌道半径(a))が、
円軌道(基準軌道(b))+ 振動振幅(f)の楕円軌道に変わります。

単振動周期tbは、衝突された天体の質量が変化しない限り、
Tbと同じになります。衝突により、質量が変化した場合は、
公転周期Tb 単振動周期tbに差が発生し、
近点移動が発生します。

元基準軌道上で衝突すると、
元基準軌道上の円軌道に移り、
そこを中心に±fの単振動の移動をします。

衝突位置

楕円軌道の単振動に対して、衝突の向きにより、
進行逆方向(正面衝突)の場合衝突位置は「遠点」に、
進行順方向(おかま衝突)の場合衝突位置は「近点」になります。

また、楕円軌道の単振動振幅f1の中心からip kmの位置で衝突した場合、
衝突した位置からの楕円軌道(単振動振幅f2)の楕円軌道に加えて、
衝突前の楕円軌道が2つに分かれて、
A – ipが遠点の振幅(f21)に、A + ipが近点の振幅(f22)になります。

また、この分かれた2つの最初の楕円軌道は、
単振動周期が異なる為、軌道が一定の周期で唸りを起こします。
これを「唸り軌道」と呼ぶことにします。

例えば、月は遠点と近点の地心距離は変動します。
これは、この唸り軌道が原因と考えられます。
月の唸り軌道は、遠点での単振動は約1400km、
近点での単振動は7000kmの振幅で単振動をしています。

衝突エネルギーバランス(a)衝突後動的エネルギー

Aa’ = Aa + Ia = Sa + Ia  [je]

(b)衝突後静的エネルギー

Sb = Sa – Ia  [je]

(c)衝突後動的エネルギー((a)と(b)より)

Aa’ = 2Sa – Sb  [je]

Aa’ – Sb = 2Ia

  • Sa :衝突位置(a)静的エネルギ [je]
  • Sb :衝突後基準軌道(b)静的エネルギ [je]
  • Ia :衝突位置(a)衝突エネルギ [je]
  • Aa’:衝突位置(a)動的エネルギ [je]
衝突エネルギーと動的エネルギーの関係

軌道速度

任意の位置rの動的エネルギーA’r=2Sr – Sa より

より Ar’ = mv2より

  • A’r:任意の位置rの動的エネルギー
  • Sr:位置rの静的エネルギー
  • Sb:位置bの静的エネルギー
  • r:位置aからの任意の位置
  • a:衝突位置
  • v:位置rの軌道速度

Wikipedia “Hohmann transfer Orbit” より引用

For a small body orbiting another much larger body, such as a satellite orbiting Earth, the total energy of the smaller body is the sum of its kinetic energy and potential energy, and this total energy also equals half the potential at the average distance a (the semi-major axis):

Solving this equation for velocity results in the vis-viva equation,

where:

  • v is the speed of an orbiting body,
  • μ=GM is the standard gravitational parameter of the primary body, assuming  is not significantly bigger than  (which makes  ),
  • r is the distance of the orbiting body from the primary focus,
  • a is the semi-major axis of the body’s orbit.