放物線軌道は、スイングバイなど外部から中心天体影の響圏に進入した時に、
双曲線軌道や放物線軌道になります。

もう一つ、
双曲線軌道になる原因として、
他の天体が周回天体に衝突した際に次のような条件の時に、
双曲線軌道になります。

【条件】
衝突エネルギー(I)が衝突位置(r)の静的エネルギー(Sr)を超えた時
2Sr < Sr + I

衝突エネルギーが、2S脱出エネルギー曲線を越えようとすると、
超えたエネルギーは、基準軌道上の静的エネルギー(Sa)になります。
衝突後の周回天体の動的エネルギー(Ar)は、
位置(r)の中心天体方向の動的エネルギー(AVr)と
基準軌道方向の動的エネルギー(AHr)により、

Ar = AHr(2Sr) + AVr(Sa)

になります。

衝突エネルギー(I)は、衝突位置(r)の静的エネルギー(Sr)と残りのエネルギーは、
基準軌道の静的エネルギー(Sa)になります。

I =I1(Sr) + I2(Sa)

衝突エネルギー(I)、衝突位置(r)の静的エネルギー(Sr)は既知なので、
基準軌道の静的エネルギー(Sa)は

Sa = I – Sr

これより、基準軌道半径(a)

a = Em x ac / Sa

where
Em = mc2
ac = U(M + m)

   m:周回天体の質量
 c:光速
  U:宇宙エネルギー定数
  M:中心天体の質量

になります。

位置(R)で影響圏を脱出する、動的エネルギー(AR)

AR = AHR + Sa

where
  AHR= Em x ac / R

脱出速度(vR)は、

vR = √AR / m

になります

例:

項目備考
宇宙エネルギー定数 U = 7.42426E-3 km/kgFIX
光速c = 1.07925E+9. km/hFIX
中心天体質量M = 1.89813E+27 kgFIX
周回天体質量m = 1.0 e20 kgFIX
衝突エネルギーI = 4.43604E+29 je
中心天体からの衝突位置r = 2,324,512 km
中心天体の影響圏脱出距離R = 48,200,000 km
周回天体質量エネルギーEm = 1.16479E+38 jeEm = mx × c^2
光速時基準軌道半径ac = 0.00141 kmac = U × ( M + mx )

【起算結果】

項目計算式
衝突位置(r)静的エネルギーSr = 7.06145E+28 jeSr = Em x (ac / r)
衝突位置(r)基準軌道方向動的エネルギーAHr = 1.41229E+29 jeAHr = 2 x Sr
中心天体方向動的エネルギーAVr = 3.02375E+29 jeAVr = I – AHr
基準軌道静的エネルギーSa = 3.02375E+29 jeSa = AVr
基準軌道半径a = 542,849.5 kma=Em x ac /Sa
中心天体の影響圏脱出距離(R)の静的エネルギーSR = 3.40548E+28 jeSR = Em × ac / R
中心天体の影響圏脱出距離(R)の影響圏脱出速度vR = 60,867.45 km/hvR = sqrt( AR / mx )