エネルギー継承(Energy Inheritance)」とは、遠藤弘士(ENDY)氏が提唱する「エンディの法則」における中心的な概念の一つであり、天体が親から子へとエネルギーを引き継ぐ階層的な構造を指します 

この概念は、月が地球に置いていかれずに太陽の周りを回っている不思議を解き明かすモデルとして提案されました 。以下にその主要なポイントをまとめます。



1. 軌道慣性と継承のモデル

エネルギー継承は、大きなトラック(太陽)の荷台に載った中型トラック(地球)、さらにその上の小型トラック(月)という「トラックモデル」で例えられます 

  • 土台の速度: 荷台の上の小さなトラックは、自らアクセルを踏まなくても、土台となる大きなトラックと同じ速度(基礎速度)で運ばれます 。
  • 重ね合わせ: 子オブジェクト(月)は、親(地球)の重力圏という「荷台」の影響を受けながら、その中で独自の運動(地球の周りを回る)を重ね合わせています 。
  • 軌道慣性: この「親の運動に子がついていく性質」を、本モデルでは「軌道慣性」と呼んでいます 。



2. 階層的なエネルギーの受け渡し

エネルギーは「太陽 → 惑星 → 衛星」という系譜に沿って、段階的に受け渡されます 

  • スリング(投げ放ち)のイメージ: 親天体が子天体をハンマー投げのように振り回して放つことで、エネルギーが与えられます 。
  • エネルギーの構成: 子天体は、親から授与された「静的エネルギー(S_a)」と、その場で付与された「動的エネルギー(A_a)」を受け取ります 。
  • 静止系の評価: 親天体を静止系として評価すると、親由来の運動分は差し引かれ、子天体に固有のエネルギー(初期条件)だけが残ります 。



3. ツリー構造による宇宙の把握

エネルギー継承の観点では、宇宙を「多対多の重力相互作用(ネットワーク構造)」ではなく、一方通行の「系譜(ツリー構造)」として捉えます 

  • 基準状態の設計: 惑星は他の惑星の影響を無視し、衛星は親惑星の影響のみを考慮することで、複雑な摂動を排除した基準軌道や基準エネルギー配分を直感的に把握できます 。
  • 独立した二体系: 各階層を独立した二体系として扱うことで、計算コストを抑えつつ構造を整理することが可能です 。

次に行えること:

このエネルギー継承の概念をベースにした、水星や金星などの**「天体衝突による軌道変化モデル」**について詳しく解説しましょうか?