月の軌道は非常に奇妙です。
普通の楕円軌道ではありません。
こんな感じの軌道です。

地球と月の距離を描いたグラフです。
下側が地球です。384,400kmを中心に振動しているんですが、
遠点(上の方)と近点(下の方)が変動しています。
普通の楕円軌道ならば、遠点と近点は固定のはずです。
どうして、こんな軌道になっているのでしょうか。
万有引力で考えると、「太陽の引力」が影響している。
というのが一般の説ですが、
そもそも、月が自分の一番いやすい場所にインテリジェントに移動するという理論からすると、
太陽の引力の影響は受けないことになります、

衝突エネルギー

そこで、月の運動エネルギー(A)が、何らかの原因で増えて、
楕円軌道になったという状況を考えてみます。
何らかの原因で一番考えられるのは、「天体同士の衝突」です。
楕円軌道になる仕組みは、衝突によって、
衝突エネルギー(I)が動的エネルギーに加減算されます。
図ではaの地点で進行方向に衝突した場合を想定しています。
衝突すると、天体の静的エネルギー(Sa)と
動的エネルギーがバランスしている状態(A=Sa)から
アンバランスした(A’=Sa+I)になります。
月の静的エネルギーと動的エネルギーがアンバランスになると、
月は居心地の良い場所に移動します。
この図ではbの位置になります。
bの位置は、aの位置の静的sエネルギーから衝突エネルギー(I)を減らしたエネルギーの位置になります。

Sb = Sa – I

になります。

衝突エネルギー(I)は、衝突天体の動的エネルギー(質量 x 速度2)になります。

bの位置の静的エネルギーは、質量エネルギー(Em=mc)と最小基準軌道半径(ac=U(M+m))により
  where
    月の質量m(7.34767e22kg)、
    地球の質量(5.97219e24kg)、
    光速c(1.07925e9km/h)、
    宇宙エネルギー定数U( 7.42426e-31)、

だから、居心地の良い場所bは、

で求めることができます。

衝突エネルギー

例えば、
衝突位置(a)が、地球から356400km、
衝突天体の質量が月の100分の1、
衝突速度が4,133.5km/hとすると、
居心地の良い場所(b)は約360,600kmになります。
単振動の振幅は、4200kmになります。

軌道図
単振動グラフ

二重衝突

しかし、2回衝突したらどうだろうか。単振動が2つ重なります。答えは、唸りの軌道になります。
例えば、衝突天体が月の質量の10分の1で、衝突速度2803.5km/hで、基準軌道(b)が360,600km、単振動(f)4,200km、の楕円軌道に、衝突位置363,400km(基準軌道から2,800km’)で2回目の衝突をしたとします。そうすると、2回目の衝突で21,000kmの単振動が発生します。
1回目と2回目の単振動が合成されます。
動的エネルギーと静的エネルギーの関係は、

という感じになります。
2回目の衝突の単振動は、単純な楕円軌道になります。
しかし、1回目の衝突の単振動はどうなるのでしょうか。
ぶつかった時のイメージは、下のグラフ用になります。

第1回目の単振動は、赤色のグラフの基準軌道360,600km動振4,200kmです。
第2回目の単振動は、幅青色のグラフの基準軌道384,400kmで単振動振幅21,000kmです。
第2回目の単振動は、衝突後も変わりません。
第1回目の単振動は、第2回目の単振動に合成されるのですが、
ここで、公転周期が第1回目と第2回目では異なります。
そのため、第1回目の単振動は、唸りを発生します。
こんなイメージになります。

月の地心座標

どうでしょうか。現在の月軌道にほぼ近い形になります。

近点移動

さらに、近点は、8.85年で一周する。つまり、近点移動だ。これの原因も一般的には、「太陽の引力」の影響と言われています。
しかし、月が自分の一番いやすい場所にインテリジェントに移動するという考え方からすると、近点移動は、単振動周期と公転軌道周期が異なる場合発生します。
単振動が変化するのは、質量が変化する場合なので、おそらく、衝突により質量が変化し、近点移動になったのではないか。と考えています。
こんな、イメージです。