1.プロローグ:猫と座布団で宇宙を読む
2.エンディモデルの視点は「エネルギーの釣り合い」(静的/動的の向きの図)
3.「座布団」=基準軌道(円軌道)
4.基準軌道が動くと楕円になる
5.軌道の種類をエネルギーで並べる(円/楕円/放物線/双曲線)
6.フライバイは「双曲線」が主役(古典の双曲線 vs エンディの見方)
7.影響圏に入ったらルールが切り替わる(Hill球とEndy球)
8.鍵は「エネルギーの分割」ARとAVR(分解の図)
9.実証:木星フライバイで古典モデルと比べる(比較表)
10.まとめ:「見方」が増えると宇宙が近づく(影響圏の時間イメージ)


シーン1 「チャー、座布団に鎮座する」
絵のイメージ:お寺の座布団に、猫のチャーがどーん。
本文
お寺の広いお部屋。
まんなかに、ふかふかの座布団。
その上に――猫のチャーが、どっしり座っていました。
チャー
「ここ、いちばん落ち着く。」
「ここが、ぼくの“いつもの場所”。」
ナレーター:
チャーが「ここがいい」と決めた場所には、理由があるみたい。
それはね、**“ちょうどいいバランス”**の場所なんだって。
チャー
「ゆらゆらしない。ころがらない。うん、しっくり。」

シーン2 「見えないバランスの糸」
絵のイメージ:エネルギーの釣り合いっぽい図。中心と流れのイメージ。
本文
チャーのまわりには、見えない糸が張られてるみたい。
引っぱる力と、進もうとする勢い。
どっちかが強すぎると、落ち着かない。
チャー
「強すぎても、弱すぎても、いやなんだよ。」
「ちょうどいいところを、体が知ってる。」
ナレーター:
宇宙でも似たようなことが起きる…っていう“見方”があるんだ。
このお話では、天体や探査機も、チャーみたいに
「居心地のいいバランス」を探すって考えてみるよ。

シーン3 「座布団=基準の道(円の道)」
絵のイメージ:円軌道(ぐるっと安定の道)。
本文
座布団の上のチャーは、動かない。
でも、もしチャーが「ぐるぐる回る遊び」を始めたら?
チャー
「ぐるぐる。…でもさ、同じ速さで回ると気持ちいいんだよ。」
ナレーター:
同じ調子でぐるっと回る道。
それがこのお話の**“基準の道”**。
宇宙で言うと、安定した丸い道――円みたいな道。
チャー
「まるい道は、酔わない!」

シーン4 「座布団が動くと、道がのびる(楕円の道)」
絵のイメージ:基準がズレて楕円っぽくなる図。
本文
ところがある日。
お坊さんが座布団を、すーっと少しだけ動かしました。
チャー
「えっ? ちょ、ちょっと待って!」
「ぼく、いま“ここ”って決めたのに!」
ナレーター:
基準が動くと、同じ回り方でも、道の形がのびたり縮んだりする。
まんまるだった道が、ちょっとつぶれて――楕円みたいな道になる。
チャー
「つまり…“同じぐるぐる”でも、座布団がズレると形が変わる、ってこと?」
ナレーター:
そうそう、チャー頭いい。

シーン5 「道の種類、ぜんぶ並べてみる」
絵のイメージ:円・楕円・放物線・双曲線の並び(エネルギーで分類)。
本文
チャーは畳に爪で、道の形を描きはじめました。
チャー
「まる。…のびた まる。…それから、びよーん。」
「そして最後は、すーん!って外へ行くやつ!」
ナレーター:
このお話では、道の形は“勢い”のちがいで変わる。
- ちょうどいいと、円
- ちょっとズレると、楕円
- ぎりぎりだと、放物線
- もっと勢いがあると、双曲線(さーっと通り抜ける道)
チャー
「双曲線は“通りすがりの道”だね。」

シーン6 「フライバイって、すれ違いダンス」
絵のイメージ:古典の双曲線(焦点)と、中心だけで見る見方の対比。
本文
チャーは座布団のそばを、すーっと通りすぎる遊びを思いつきます。
チャー
「座布団に近づいて…くいっ!って曲がって…すたたた!」
「近づくけど、座らない。これが“フライバイ”!」
ナレーター:
昔からの描き方だと、双曲線は焦点がどうの…って難しく見える。
でもこのお話の見方では、もっと単純に――
中心(座布団役の天体)との関係だけ見てみる。
チャー
「余計な点、いらない。目の前の座布団だけ見ればいい!」

シーン7 「影響圏って、座布団の“ふわっ”の外側」
絵のイメージ:Hill球とEndy球(影響圏の境界の図)。
本文
座布団には、ふわっとした“圏(けん)”があるみたい。
近づくと、空気が変わる。
チャー
「ここから先、座布団の“気配”が強い…!」
「足が、勝手に曲がる!」
ナレーター:
宇宙でも、ある天体に近づくと、
「ここから先は、その天体の影響が強い」って感じる区域がある。
このお話では、それを**“影響圏”**って呼ぶよ。
チャー
「“ふわっ”って入った瞬間、ルールが切り替わるんだね。」

シーン8 「鍵は、エネルギーを二つに分けること」
絵のイメージ:ARとAVRの分解図。
本文
チャーは言いました。
チャー
「ねえ。勢いって、ひとつに見えるけど、ほんとは分けられるよ。」
ナレーター:
影響圏に入った“勢い”を、二つに分けて考える。
- ぐるっと回ろうとする勢い(AR)
- ぐっと中心へ落ちようとする勢い(AVR)
チャー
「前へ走る力と、座布団へ落ちる力。二つだよ。」
「分けると、道が急にわかりやすくなる!」
ナレーター:
“分ける”ってだけで、
「どれくらい曲がるか」「どれくらいの時間か」が見えてくる…
そういう見方なんだ。

シーン9 「木星フライバイで、くらべっこ」
絵のイメージ:比較表(飛行時間・偏向角)。
本文
チャーは、帳面を持ってきて、すました顔。
チャー
「じゃあ、テストする。」
「ちゃんと合ってるか、くらべる。」
ナレーター:
ここでは、木星フライバイの例で、
昔からの計算と、このお話の見方を並べてみる。
曲がり具合(偏向角)や、通り抜けにかかる時間(飛行時間)。
数字はピタッと近い――そんな結果になった、という“お話”。
チャー
「ほらね。見方が違っても、近い答えに行ける。」
「直感の道、意外と使えるでしょ?」

シーン10 「結び:宇宙は遠いけど、感じるのは近い」
絵のイメージ:影響圏の時間イメージや、締めの図。
本文
座布団の上に戻ったチャーは、ふうっと息をつきました。
チャー
「宇宙ってさ、むずかしい言葉が多い。」
「でもね、“落ち着く場所を探す”って思うと、ちょっと近くなる。」
ナレーター:
このお話は、難しい式を捨てる話じゃない。
式は式で大事。
でもそれと同じくらい、
**“感じ方(見方)”**があると、宇宙はぐっと身近になる。
チャー
「ぼくは、座布団でわかった。」
「宇宙の旅も、まず“しっくり”から。」
