楕円軌道は、円軌道+単振動としています。しかし、厳密にいうと違います。
どのくらい違うかというと、火星の軌道でいうとこのくらいです。
青線が楕円軌道
赤線が円軌道+単振動
になります。
ごくわずかといえばわずか、大きいといえば大きいです。

水星の軌道では。

こんな感じです。
だんだん、違いが大きくなってきました。 
でも、これくらいならいいかなってところですが。

さらに、ハレー彗星のような、長周期の軌道では、

楕円軌道と円軌道+単振動は全く別物です。

ということは、

楕円軌道って円軌道+単振動じゃないじゃないか。ということになります。
その通りです。これで、楕円軌道+単振動の理論は崩壊か〜

いや少し、待ってください。
完全な単振動では、ないけれども、基準軌道(a)を中心に、振幅(f)で振動していることは間違いありません。

そこで、極座標で中心天体から、周回天体までの距離rを長半径a、短半径b、焦点距離f、角度θで表すと、

となります。
よくある式は、離心率ε = f / a と 半直弦l=b2/aを使って

ですが、あまり、離心率と半直弦が好きでないので、
a,b,fの式にしました。
好き嫌いかよってことですが、好き嫌いです。(笑)
本当は、a+fcosθが、円+単振動になっているからです。
これは、曲座標(r)は、普通の単振動ではありませんが、周期は単振動と同じです。

ふつうの単振動と違う理由は、静的エネルギーの大きさが、距離に反比例して変化するからです。
次の図をみてください。


位置(P0)の衝突で増えた衝突エネルギー(I0)は、
動的エネルギー(A0)と静的エネルギー(S0)の差(A0 ーS0)になります。
そして、衝突した時の衝突エネルギー(l)=0になる点が、周回天体の鎮座する位置(a)です。
例えば、任意の位置(r)では、動的エネルギー(Ar)は、図より、
Ar = 2Sr -Sa
と表されます。
これは、衝突エネルギーと同じ大きさの反対のエネルギーが
(これは、力の作用反作用を模して作用反エネルギーとでもいいましょうか)
安定する場所(静的エネルギー)に対して、働くからです。(言い切る)
そして、動的エネルギーは、近点(Po)で最大で速度が速く、
遠点(c)で最小で速度は遅くなります。
このエネルギーの変化によって、周回天体は、楕円軌道上を動くことになります。
これは、なんとかして、周回天体は居心地のいい場所に行こうとするからです。(再び言い切る)
そこで、楕円の極座標(r)を円軌道+変形単振動で表してみることにします。
変形単振動は。中心天体からの距離で変化する、
静的エネルギーの差を考慮した単振動という意味です。(本来の単振動ではないけど)
楕円軌道の極座標

の式から、角度θによる、振幅(fθ)を算出したいと思います。
ここで、この式はθ=0の時に近点になるので、
θ=0の時に遠点にしたいので、(個人的理由なので、このままでもOKです)
分母をa-fcosθにします。
振幅(fθ)は、中心星から周回天体までの距離(r) から基準軌道(a)を差し引いた(r – a)いいので、

となります。(計算してみてください。b2 = a2 – f2を使います)

になり、円軌道と周期的に変化する振動になります。
これが、下図のように、楕円軌道の極座標になります。


結論

このように、周回天体は、鎮座する位置を求め、
静的エネルギーとバランスをとりながら、楕円軌道上を動きます。

ということです。(これはあくまでも個人的意見です。)

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